メキシコの安全 [旅]
メキシコ・シティを去る時のタクシーの中で、
「多くの日本人はメキシコを怖いと思っているから、そうじゃないことを伝えたい。」
と言うと、運転手が、
「日本人だけじゃないよ、世界中がメキシコを怖いと思ってるよ。でも違うんだ。大都市はどこだって何かしら危険な場所があるものだし、そういう場所さえ行かなければ、全然危険じゃないんだ!」
私がメキシコで昔住んだことがあるのは、
メキシコシティから車で1時間半くらいの所にあるモレロス州のクエルナバカで、
スペイン語の学校に行っていました。
一年中春の気候で、一年中花が咲いていて、のどかで安全、という理想的なところでした。
毎土曜 excursiónといった日帰り旅行が企画されていて、
世界二位の銀山であるTaxcoへ行ったり、様々なピラミッド、メキシコシティまで足を延ばして、
テオティワカン遺跡、国立民族学博物館、そしてベジャス・アルテス宮殿での民族舞踊を見に行ったり。
それで、メキシコシティへは、この日帰り旅行で時々行くか、学校の期間が終わって(当時はアメリカに)帰る際2泊ほどメキシコシティに泊まる、という程度しか経験はありませんでした。
12年前に母を連れてメキシコに行った時も、
まずはメキシコシティでしたが、ホテルを通して現地のツアーを頼んだりしていたので(この方法が一番安く確実に色々なところを観光できますが、日本語が必要な場合は値段が跳ね上がります)、地図を見て歩き回るということは、あまりした記憶がありません。
今回は、行くべき所が全て含まれる現地のツアーをネットで見つけ、予約しておいたので、夜到着して翌朝すぐにツアー、という強行軍でスタートしましたが、2日目はやっと1日一人歩きの日となりました。その内容は他の記事で書くとして、その1日、歴史地区、ソカロはもちろん、途中ガリバルディ広場でお巡りさんのお世話になったものの、夜にアラメダ公園内で散々歩き回って買い物をしても、全く危険を感じることがなく、メキシコシティは全然危険じゃない、と確信できたのでした。
ただ、夜大都会での女性の一人歩きは、基本的には勧められることではないので、必要がなければやめましょう。
それでも、ニュースや映画で見る麻薬取引や銃撃戦には、普通はお目にかかれません。
ただし、メキシコ・シティのタクシーは昔も今も悪名高いのです。(現在完了進行形)
平和なクエルナバカに住んでいる時も、タクシーに乗る時は、必ず行先を告げて値段交渉をしてから乗る、というのが当たり前でした。また当時はメキシコシティでタクシーに乗ったら、必ず運転手の名前を書き止めておくように、とも言われていました。もし強盗されても名前を訴えれば戻ってくることがあったからです。
ただ、政府もメキシコシティが怖いというイメージを払拭するために、徹底的に対策を練っていて、町中に警官がいて、しっかりと見張っています。また、空港内にタクシーカウンターがあり、そこで行先を告げ、先にお金を払います。チケットをもらいタクシー乗り場で運転手に渡すだけ。それでも昔は客引きがウロウロしていましたが、今はそういう人は一切入れなくなっています。なお、基本メキシコではタクシーにチップはいりません。
観光に行って空港以外でタクシーが必要な場合は、ホテルに頼んで呼んでもらえば良いのです。空港やホテルから正式に乗れるタクシーは、悪いことはしません。(後にグアナフアトで仕事放棄した無責任野郎は出てきますが、それは人間的例外)
恐いのは流しのタクシーです。大量に走っていますが、絶対に乗ってはいけません。私も昔住んでいる頃は、乗ったことがありますが、特にスペイン語で普通にコミュニケーションを取る自信がないのだったら、やめましょう。英語はメキシコ人の母語ではありません。
さて、これだけメキシコに慣れているつもりの私でも、今回一番安心したのは、Uber(ウベ)について聞いた時です。日本にはなかなか定着しませんが、Uber(一般にはウーバー)というのは、携帯で事前に地図画像を見て、近くにいるタクシーを自分のいる場所に呼ぶというもの。値段も事前に確認でき格安ということになっています。支払いはカード払いなので誤魔化しようがないのです。(使うには事前にネット上で登録が必要)。東京でもたまに可能なタクシーが地図上に現れることはありますが、「ご利用可能な車がございません」と出てくるのが普通です。
Uber、空港タクシー、ホテル、この3点を心得ておけば、メキシコ・シティのタクシー問題は解決です。タクシーの安全な乗り方さえ心得ておけば、メキシコシティも全然危険なところではありません。
ただ、私がUberを使ってみようとした日はあまりの混雑で、
「Uberの呼び出しが殺到しているので、通常より料金が1,5倍に跳ね上がっていますが、それでも頼みますか?」
というメッセージが出て、やめました。今回のツアーで仲良しになったカナダ人に言わせると、カナダではこういうことがしょっちゅうあると言っていました。
それでも最終日にもう一度チャレンジしましたが、
「カードが無効です」
今回は断念しました。次回までにはUberの使い方をマスターしたいものです。残念!
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